Dotは詩人のメインウエポン ─。そんなふうに言われるほど詩人にとって非常に大切なダメージソースです。
着弾時の威力が低いため、スキル説明を見ただけではその凄さがわかりにくい“隠れた主役”ともいえるDot。その凄さの秘密は継続ダメージにあります。3秒ごとに2種のDotが威力90ずつ自動でダメージを与えてくれます。
一見小さな威力に見えますが、30秒の効果時間すべて合計すると威力900ぶんの攻撃となり、なんとバーストショット約4発分、詩人最大威力のソウルゲージ100%エイペックスアローの1.5倍にもなります。30秒ごとに確実にそれだけの威力のダメージを与え続けるのですから、いかに火力貢献度大きいかがわかります。しかも30秒に一回「アイアンジョー」を撃つだけで得られるのです。
パッチ5.0で削除された戦歌のバフがパッチ5.1で少しだけ復活したため、トレードオフするカタチで継続ダメージの威力が下方修正されました。
なんと約18%ほど下がっていますが、それでも依然大切なダメージソースです。ただ、パッチ5.0では以前と比べて他のアクションスキルの威力を上げる調整がなされているため、その運用の仕方、優先順位が微妙に変わりました
30秒きっかりに「アイアンジョー」で1発更新するのがベストなのは変わりませんが、バフを乗せて打ち直したりすることの価値が少し変わっています。
Dotの手数は最小限に
Dot関連のウェポンスキルは、継続ダメージの威力が大きいかわりに、着弾時の威力が低く設定されています。
「アイアンジョー」の着弾時の威力は100で、詩人の単体攻撃の中で圧倒的に低く、ダントツの最下位。「ストームバイト」も威力100で最下位タイ。「コースティックバイト」の威力は150でブービー賞。詩人の主力ウェポンスキル「バーストショット」は威力が230なので、かなり威力が低いことが分かります。
ウェポンスキルはグローバルクールダウン(GCD)に支配されているので、一定時間内に使える回数が決まってきます。GCDが2.5秒なら、30秒間に12発しか撃てません。限られた回数なら、威力が低いものはできるだけ使わず、より威力の高いものをたくさん使った方がいいですよね。
着弾ダメージの低いDot関係のウェポンスキルはできるだけ撃たないほうが火力的に有利です。理想はDotにかける手数を最小限にすること、すなわち「アイアンジョー」1発でDotを更新してしまうことです。
更新失敗の損失
仮にDotを「アイアンジョー」で更新して、それ以降バーストショットを撃ち続けたとします。
30秒間の着弾時の威力合計は、ジョー100 + バースト230 ✕ 11 = 2,630となります。それに加えて3秒ごとの継続ダメージ判定で「ストームバイト」威力50、「コースティックバイト」威力40、合わせて威力90の継続ダメージを計10回分、合計で威力900のダメージを与えます。これらをすべて足すと、合計で3,530の威力となります。
では、Dotを切らして、かけ直すとどうなるでしょうか。
「ストームバイト」「コースティックバイト」と撃ち、先ほど同様「バーストショット」を撃ち続けたとします。30秒間の着弾ダメージの威力の合計は、ストーム100 + コースティック150 + バースト230 ✕ 10 = 2,550。Dotのかけ直しにGCD2周、約5秒弱かかります。当然その間の継続ダメージは得られません。ザックリ2種のDotを1セット分判定を失ったと仮定すると810、威力90ぶんの威力を失ったことになります。これを着弾ダメージと合わせると、合計で3,360の威力に。
「アイアンジョー」1発更新と比較すると威力差は170、「ブラッドレッター」1発分程度の差がつくことがわかります。当然ながら損失が小さいとは言えません。しかし思ったほど大きな差でもありません。
むしろ、早くかけ直して、継続ダメージを多く得るかという方が大切かも知れません。3秒毎に威力90ずつ失われるわけですから。
こまめの更新するのも「損」
Dot切らすなら早めに更新すればいいじゃない、なんて考えてしまったりしますよね。30秒のうちに「アイアンジョー」を2発撃ったとしたらどうでしょう。
まず着弾ダメージが下がります。ジョー100 ✕ 2 + バースト230 ✕ 10 = 2,500と、着弾ダメージは直接かけ直した場合より威力50ぶん低くなります。継続ダメージはフルで威力900得られるので、合計で3,400。Dotかけ直した場合よりいくぶんかマシという程度です。また、ジョー1発更新と比較すれば、「バーストショット」との威力の差130ぶん損したことになります。
以前は継続ダメージの影響が大きかったため、“Dotは絶対に切らしてはいけない、切らすぐらいなら早めに更新しなさい”という空気でしたが、パッチ5.25現在は、ベストの方法以外はどうリカバーしてもそれほど変わらないという感じになっています。
「猛者」中に更新し直すべきか
「猛者の撃」は、与ダメージを10%上げるアビリティ。当然着弾ダメージにもDotにも影響します。最終的なダメージに10%アップがかかるので威力が上がるわけではないのですが、目安の数値として考えます。
着弾時の威力は100から110に、継続ダメージは合計威力900から990にアップ。合計で1,000から1,100に。
たしかに威力が上がります。猛者効果中に更新できるなら、それに越したことはありません。
ただ、あえて猛者効果中に更新し直す意味があるのかといえば、はなはだ疑問です。前述の通り30秒間に「アイアンジョー」を2発撃つと、掛け直した場合とほぼ同じ損失になってしまいますが、猛者で得られる威力アップは100しかありません。その「アイアンジョー」一発を、猛者の乗った「バーストショット」に変えて撃ったほうが着弾時威力で153有利(猛者乗るので10%上乗せで+23)なので、かえって損することになります。
猛者中の効果が残っているからと言って、無理して更新せず、たまたま更新タイミングが猛者中だったら更新する、という感じでしょうか。
もちろん開幕にDotを配るときは猛者 効果中に入れておけば恩恵を受けられるのでそうした方がいいでしょう。
追記:「猛者の撃」は、リキャスト即使用ではなく、メヌエット中に使用するほうが良いという話もあるようです。この場合、スキル回しによっては毎回猛者の効果を得られます。
実戦でのDot更新
Dotの効果時間は30秒で、ちょうど30秒目にも継続ダメージの判定があるため、本当は残り0秒で更新したいところなのですが、GCDはスキルスピードによって変動するため周期が合わず、毎回0秒にキッチリに「アイアンジョー」を合わせるのはなかなか難しいのが現状。実質残り3秒以内の更新を目指すことになると思います。
Dotを更新するためには、効果時間を管理しておく必要があります。しかし、ほかにも戦歌の効果時間や詩心のスタック、ソウルゲージ、独自のリキャストタイマーを持つスキルなど、管理すべきものがいろいろあります。それに加えてギミックに集中していたりすると、Dotの残り時間を見落としてしまったりしいがち。
見落としを防ぎ、ラクに管理するためには、何かとセットで同時並行で管理するのが良いのですが、そうカンタンな話ではありません。
ラクをするか、ベストを尽くすか
例えば、3つの戦歌は「メヌエット」30秒、「バラード」30秒、「パイオン」20秒で切り替えるのが良いとされており、1周トータル80秒、Dotは常に30秒更新なのでパイオンで10秒ずれてしまいます。
15秒のリキャストタイマーを持つ「ブラッドレッター」と「エンピリアルアロー」ならどうか。「ブラッドレッター」はバラードのクルクルでリキャストが崩れるし、「エンピリアルアロー」も、「パイオン」および「軍神の加護」「軍神の契約」のリキャストタイム短縮効果によってズレてしまいます。
(訂正:エンピリアルアローは“アビリティ”なので「パイオン」および「軍神の加護」「軍神の契約」のリキャストタイム短縮効果に影響されません。ただし使用することで詩心がプロックする「エンピ」は戦歌の更新タイミングによっては使用を少し遅らせることもありえるので、コレもズレてくるはずです。)
ベストを尽くそうとすれば、Dotは独立して管理し、30秒周期で更新し続けるしかありません。それは、他のリキャストやプロックサインのすべてを別々に管理することとなり、非常に負担が重くなります。
戦歌と一緒に管理が現実的か
「管理」に気を取られてギミックで死ぬぐらいなら、ラクな方を選んでも良いかもしれません。多少の損は覚悟して管理しやすい方法をとる考え方です。一番現実的な選択肢は戦歌と同じタイミングでDotを更新することです。
3種で一周80秒の戦歌と同じタイミングで更新した場合、それを3周した240秒感の間に「アイアンジョー」を6回撃つことになります。30秒更新と比較すると1回多く撃つことになります。継続ダメージに差はないので、「アイアンジョー」と「バーストショット」との着弾ダメージの威力差、130の損失となります。30秒当たりで見ると威力26の損失。わりと軽いダメージです。
コレぐらいなら誤差範囲内とみるか、それでもベストを望むべきと考えるか…。
ちなみに、戦歌に合わせる場合のデメリットをあえてもう一つ言うとすれば、一定時間に色々な更新が重なるので、非常に忙しくなることです。今回あまり触れていませんが、ひょっとするとDot更新のために「リフルジェントアロー」がプロックしてもGCDを1巡待ったりすることもあるかもしれません。
時間管理に自信があれば、ベストを求めて30秒ごとに「アイアンジョー」で0秒更新を狙うのもいいかもしれません。実用的な運用を考えるなら戦歌とともにより確実に更新する方法もあります。
いずれかスタイルに合ったやり方でプレイするといいかもしれません。