あれは、機工城アレキサンダー:起動編 零式1層攻略中のこと。野良勢だったズッカは日々攻略に明け暮れていた。ある程度やっていると進行具合が近いほかのプレイヤーと同じパーティになることが増えてくる。先日はどうも、昨日はどうも、先程はどうも…その頻度は徐々に上がっていく。野良なのに、PTメンバーの練度が揃ってくる。が、揃いきりはしない。野良だから。そして、最後の壁にぶつかる。

1%の壁というのは確実に存在する。それが最後に立ちはだかる。

確実にクリアのチャンスだった。それを失った。指の間からすり抜けて落ちた。のこり1%、敵のHPゲージは1ミリも残っていなかった、あとちょっとのところをものにできない。そういうことはある。

その時、同じ思いをしたメンバー数人と組んだLSがある。LS名は「1percent」にした。野良にとって「残り1%」は、次いつ来るかわからない貴重なチャンス、また、チャンスを失った悔しさそのものだ。

2018年7月15日
次元の狭間オメガ:シグマ編 零式4層。この日のパーティは一味違った。前半で2~3人戦闘不能になった。こういった場合、通常なら仕切るほうがいい、なぜならアイテムレベルが上がった今でもそれは挽回できず、リスタートを迎えることがほとんどだ。しかし、ケフカさんは満たされた。なにかが起こる予感がした。

後半、ズッカの集中力は抜群だった。気負うこともなく、焦ることもなく、ほぼ一貫してノーミスだった。クリアできるかもしれないという予感がそうさせたのかもしれない。最初のチャレンジでループ後の神々まで到達。色んな意味でここからが勝負だ。

集中力はどんどん下がっていく。コンディションや、状況にもよるが、確実に下がっていく。人間はそういうふうになっている。と思う。

妖星乱舞 第四楽章を聞くとどのフェーズにいるか目に浮かぶほどやりこんだ。多少集中力を失っても細かなミスはほとんど無い。起こすとしたら大きなミスだけだ。それが起こるなら、その日はもうやめたほうがいい。いくら続けても無駄になるし、他のメンバーに迷惑をかける。

予想したとおり、一直線にクリアに向かうことはなかった。だんだんリスタートをかけるタイミングが序盤からになってくる。それでもラスト30分で時間切れ3%まできた。多くの場合、それがベストリザルトになって終了だ。凡ミスで、2度ほど開始直後のリスタート。予想通りだ。残り20分。

ラストアタックは相当集中していたのか、ほとんど何も考えなかった。近接さんが何回か倒れていた。それは見た。しかし最後の裁きの光の発動時点で4%。LBもある。無心で削る。削る。削る。しかし裁きの光のキャストゲージは満たされていく。

残り1%、そこで裁きは下った。

悔しい。が、どうにも出来ない。先程はパーティ募集に入ったが、今度は自分で募集をかける。程なくしてメンバーが揃う。なんと、何も言っていないのにクリア済みの知り合いが参加してくれた。ありがたい。これのチャンスを活かそう。またとない、そして温かいチャンスだ。

ズッカの集中力は「残り1%」によってだいぶ費やされたようだ。フェイズを間違える、方向を見失う。大きなミスを重ねる。序盤リスタートは他のメンバーの集中力を奪っていく。もうその日はやめたほうが良かったのかもしれないが、自分が募集主だ。こんなことではいけない。PTメンバーはいい人たちだった。ミスしても冗談を言ってくれる。あえてボケて、ミスした人間にツッコませてくれる。あたたかい。ありがたい。

気合を入れて、残る集中力を総動員して、自分のなすべきことを確実にやる。このPTはおそらく火力は足りている。それは前半で感じた。あとは確実にこなすだけだ

幸いなことに集中力は持ち直した。募集主の責任も感じている。知り合いが来てくれたことに、報いたい気持ちもある。焦りはなくなっていた。ほぼ何も考えていなかった。

気がつくと裁きの光のキャストが始まっている。ケフカさんのHPは、「1%」のときより少ない。でも過度な期待はしない。冷静にスキルを回す。

ケフカさんの裁きの光は、発動しなかった。

我々が勝った!! やったー!! ほぼ一ヶ月の間、クリア目的のステータスだったそれが今、達成された。来週からは「クリア済」勢の仲間入り。長かった。そしてホッとした。

1%の壁は大きい、とてつもなく大きい。でも今日の壁はみんなが崩してくれた。みんな、ありがとう!

前述のLS「1percent」はまだ健在だ。人数は少ないし、今はいない人もいるが、その時の仲間とは零式に一緒に行かなくなった今でもずっと続いている。同じ思いを共有した人たちだ。

今度は誰かの1%を一緒に越えよう。1%の壁を何度も越えてきたズッカも光の戦士のはずなのだから。

次元の狭間オメガ:シグマ編 零式 踏破。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
Copyright (C) 2010 - 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.